私の人生は引越しの多い人生だった。
人生で初めての引越しは小学校2年生の頃。それまでに住んでいたアパートから一軒家に移り住むために引越しをした。それからしばらく20年くらいその実家に住んでいたけれど、25歳の時に仕事の都合で東京で引越しをした。初めての一人暮らしである。
東京でも2回引越しをしている。
そして宮城へ引越しをし、宮城県内でも3回引越しをしている。今こうして思い出して書いているだけでも8回引越しをしている計算になる。多い。
20代の頃は自分が定住せず、ふらふらと住所を変えることがどうしても気になって全国転勤ありの仕事を辞めてしまった。あのまま仕事を続けていたらもっと引越しが増えていたのだろう。
昨日友人たちと夜、食事を取るということになりたまたま以前住んでいた街に行くことになった。
その街は旦那と結婚し、しばらく一緒に過ごしていた街で妊娠・出産を経験した街だった。
あぁ、この道を大きいお腹で一生懸命歩いたなぁとか、産後母と子どもと一緒に散歩をしたりしたなぁなど、街中に思い出が散りばめられているようですごく懐かしい気持ちにもなった。
同じような気持ちを初めて1人暮らしをした東京の街でも感じたことがある。
東京に行くとなると今でも昔住んでいた駅の近隣で宿がないか探すようにしている。元々住んでいた街なので使い勝手がわかるし、何より安心できる。
今でもあの街にいくと、初めて1人で住んで心細かった気持ちとか仕事から終電で帰ってきた日のことが昨日のことのように思い出される。遅れてやってきた私の青春があの街にはまだいっぱい眠っているのだ。
引越しが多いことはあまり好ましくないと思っていたけれど、同じ地域に長く住んでいるとこういう「場所に関する記憶」というのは増えるのだろうかと思う。
私は8箇所に自分の分身を置いてきているような計算になるけれど、ずっと同じ地域で住んでいると幼少期も青春時代も全部同じ場所にあるから自分自身=その地域になってしまうのだろう。それが幸せなことなのかもったいないことなのかはわからないけれど、私は自分の分身を全国に散りばめられてよかったと思っている。
これまでにたくさんの地域に住んだからこそ、「どこでも生きていける」というのが体感としてわかったし、何よりその土地を味わうことが楽しかった。
これからまた引越しをすることがあるのかわからないけれど、今度引越しをする時には人生の地図が色づいていくと考え、プラスに捉えようと思う。

#100日連続投稿チャレンジ55日